皆さんは保育園育ちですか?幼稚園育ちですか?昭和な私は、こんな質問を友達から受けたことがあるし、保育園育ちは逞しい!!みたいなイメージがあったります。保育士試験の社会福祉の科目では、児童福祉施設基準や職種の違いを正確に理解することが重要です。この記事では、保育所設置基準と幼稚園設置基準の違いを解説しています。
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準と準用関係
児童福祉施設の設備・運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号)は、保育所を含む児童福祉施設全体の最低基準を定めたものです。
設備と職員の基準の語呂合わせ
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の語呂合わせ4 保育所「にゅうじがほふく、ちょういいべ!」
準用関係とは?
- 保育所設置基準は、児童福祉施設最低基準の 第5章「保育所」に該当します。
- 幼稚園は文部科学省所管であり、児童福祉施設には含まれないため、準用関係はなし。
- 認定こども園のうち「保育所型」「幼保連携型」は、児童福祉施設最低基準の一部を準用。
保育所設置基準 vs 幼稚園設置基準:違いと共通点
違いと共通点をまとめています。お子さんを保育園や幼稚園へ通わせた方は、なんとなく頭に入っているないようではないでしょうか。比較表として並べてみるとかなり違いがあります!
比較項目 | 保育所設置基準(厚労省) | 幼稚園設置基準(文科省) |
---|---|---|
所管省庁 | 厚生労働省 | 文部科学省 |
根拠法令 | 児童福祉法 | 学校教育法 |
対象年齢 | 0歳~就学前 | 満3歳~就学前 |
目的 | 保育(生活支援) | 教育(集団指導) |
保育/教育時間 | 原則8時間(延長可) | 原則4時間(延長可) |
設備基準 | 児童福祉施設設備最低基準 | 学校設置基準 |
職員配置 | 保育士:子どもの人数に応じて | 幼稚園教諭:学級ごとに1人以上 |
教育週数の基準 | 年間を通じた開園(週6日開所もあり) | 原則週5日、年間39週以上が目安※ |
※「幼稚園設置基準」では、39週以上(年間)教育活動を行うことが求められています。また、夏休み・冬休みなどの長期休業があるため、1年全体を通してバランスをとって計画されます。
共通点としては
- 子どもの健やかな成長を支援する施設
- 安全・衛生・教育的配慮が求められる
- 保護者との連携が重視される
幼稚園設置基準を語呂合わせで暗記!

「幼稚園ティーチャーよじさんきゅうで集団教育」
幼稚園の先生が4時にはサンキューって、たくさんいる園児にバイバイしているイメージで覚えました!
保育教諭・保育士・幼稚園教諭の資格要件と配置基準
皆さんが資格取得しようとしているのは保育士ですね、他の資格との違いを把握しておきましょう。
職種 | 資格要件 | 配置基準 | 所管 |
---|---|---|---|
保育士 | 保育士資格(国家資格) | 子ども数に応じて配置 | 厚生労働省 |
幼稚園教諭 | 教員免許状(幼稚園) | 学級ごとに1人以上 | 文部科学省 |
保育教諭 | 保育士+幼稚園教諭の両資格 | 幼保連携型認定こども園で配置 | 内閣府(こども家庭庁) |
認定こども園・保育教諭って何??
現在、幼保一体化として、保育所(保育園)と幼稚園の機能をひとつにまとめ、多様な働き方や社会の変化に対応するため、柔軟な保育・教育が求められています。
この流れの中で、「幼保連携型認定こども園」が急速に増えています。認定こども園とは、保育所と幼稚園の両方の機能を持ち、子育て支援と幼児教育を一体的に行う施設です。
- 保育教諭は「幼保連携型認定こども園」における職種で、両資格を持つことが原則となります。
- 一定の条件下では、片方の資格のみでも保育教諭として任用可能。
保育士試験の過去問実例
令和4年度 教育原理・社会的養護(複数選択式)
次のうち、保育教諭に関する記述として正しいものを2つ選びなさい。
- 保育教諭は、保育士資格のみで任用される。
- 保育教諭は、幼保連携型認定こども園に配置される職員である。
- 保育教諭は、幼稚園教諭免許のみで任用される。
- 保育教諭は、保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を有することが原則である。
正答: 2・4
令和5年度 保育原理
「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」第1章「総則」第2「教育及び保育の内容並びに子育ての支援等に関する全体的な計画等」の一部として、誤ったものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を踏まえ教育及び保育の内容並びに子育ての支援等に関する全体的な計画を作成すること
B 満3歳以上の園児の教育課程に係る教育週数は、特別の事情のある場合を除き、51週を下ってはならない
C 1日の教育課程に係る教育時間は、8時間を標準とする。ただし、園児の心身の発達の程度や季節などに適切に配慮するものとする
D 園長の方針の下に、園務分掌に基づき保育教諭等職員が適切に役割を分担しつつ、相互に連携しながら、教育及び保育の内容並びに子育ての支援等に関する全体的な計画や指導の改善を図るものとする
E 教育及び保育の内容並びに子育ての支援等に関する全体的な計画に基づき組織的かつ計画的に各幼保連携型認定こども園の教育及び保育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」という。)に努めるものとする
- ①A B
- ②A C
- ③B C
- ④B E
- ⑤D E
正答: ③
B:誤 51週→39週
C:誤 8時間→4時間
まとめ
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準は、保育所・幼稚園・認定こども園などの施設運営や職員配置を理解するうえで不可欠な法令です。保育士試験では、「準用関係」「設置基準の違い」「保育教諭・保育士・幼稚園教諭の役割と資格」などが繰り返し問われています。
複雑な制度でも、ひとつずつ整理すれば合格への近道に!!ぜひ今回のまとめを活用して、知識の整理と過去問対策に役立ててください。
設備と職員の基準の語呂合わせ
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